こころと体の健康・安定はすべての人々にとって、しあわせで豊かな人生を送る上で大切です。しかし、人間はそれがほんの些細な問題であっても、簡単に心の安定を欠いてしまうものです。
現代のように、人間関係のあり方が様々になって、間違った情報も氾濫してくると、心理的な処理が間に合わず、次々と起こる他の問題に対処する余裕もなくなって、不安が雪だるま式に大きくなり、まるで坂道をフルスピードで駆け下りるように、不安定で、出口のない心の闇の中に突っ込んでいってしまうものです。
『こころと体がともにつながっている』という考え方は、医療では”統合医療”といわれ、医療の新しい考え方として発展しつつあります。 (日本の”統合医療”のとらえ方は、これとは異なります)
たとえば、日本のがん治療では、3大療法である『外科手術・抗がん剤治療・放射線治療』が、まるで治療の”3種の神器”のように扱われています。しかし、少なくともアメリカとヨーロッパの一部(私が一部のことしか知らないので)では、3大治療だけで治療する時代はとっくに終わっています。
代替療法の選択肢も提示します。
その中には、瞑想や心理療法など、”体と心は別々ではない”という考え方も含まれています。
3大療法は言うまでもなく、”身体だけの治療”です。
こころのケアも同じです。
こころのケアが必要となる方の多くは、体にもサインが出ています。つまり、体のサインが、すなわち、こころのケアが必要であるというサインでもあるわけです。
睡眠障害、食欲不振、不安感、緊張感、倦怠感など、どれも、精神的にいっぱいであるという体からのサインの場合だってあるのです。
その反対に、体の感覚がない場合もあります。精神的には負担になっているはずなのに、身体症状がない場合は、無感覚になっているのかもしれません。 (しばしば、感覚がない方がより深刻)
こころのバランスを取るのには、こころとからだのバランスが整っていることも大切な要素で、からだが健康であるためには、こころのバランスも大切であるということです。
一度抱えたトラウマは、そのエネルギーが解放されるまで、ずっとその人の中で保持されていきます。それらはいろいろなサインを送ってきます。
トラウマなどは、現在、脳神経科学の観点から、”こころの病気”ではなく、”からだの緊張(硬直)”と密接に関連があるということが、わかっています。
トラウマの治療では”こころのケア”だけではなく、”ボディーワーク”も伴うのが、新しい治療法です。
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